デザインマガジン🎈Balloon vol.3
ブランディング・UX・グラフィック・プロダクト・UI・Webサイトなどクリエイティブ全般をカバーするデザインコンサルティングスタジオ Balloon株式会社がお届けするデザインマガジンです。
デザインマガジンでは、上の句として「デザイン“以外”の話」、下の句として「デザインの話」をお届けします。では早速、「デザイン“以外”の話」から。
上の句:若い頃に聞いていた音楽から逃げられない話(デザイン“以外”の話)
音楽のサブスクリプションサービスに加入してから随分経ちました。新曲発売日の0時に新曲が聞けるのは当たり前。ふと思い出したときに数タップで音源にたどり着けるのが当たり前。10年前には想像もつかなかった世界です。もう一つ、想像もつかなかったことがあります。未だに10年もしくは20年前の曲を聴き続けていること。
サブスクでいくらでも最新曲が聴けるのに、自分のプレイリスト(自分は結構マメにプレイリストを作るタイプです)を見てみるとかなりの頻度で登場する10年以上前の曲。先日はふと思い出してEGO-WRAPPIN'『色彩のブルース』をプレイリストに追加しました。昔の曲ばっかり聴いているのは私だけではないようで、10〜30代の頃に聴いていた曲を好むという傾向があるようです。
なんなら新曲でプレイリストに追加した曲ってなんとなくボカロっぽい曲調のような感じが…。流行は繰り返すと言いますが、若い頃に聴いていた音楽は流行どころか呪いのようにずっと消えないものなのでしょうか。となると、若い頃にボカロを聴いていた自分はもうボカロから逃れられないのかもしれません。老人ホームで初音ミクを大合唱する未来もすぐそこかも?
下の句:ユーザーインターフェース(UI)におけるデファクトスタンダードの話(デザインの話)
言われてみれば若い時に触れた音楽や映画は、当時の心情や経験と結びついて今でも鮮明に覚えていますね。自分の好みを形成する上で重要なファクターかもしれません。
こうした「無意識のうちに自分の中で当たり前になっていること」で思い起こすのはユーザーインターフェース(UI)におけるデファクトスタンダードについてです。デファクトスタンダードとは「市場における企業間の競争によって、業界の標準として認められるようになった規格のこと」を指します。
僕が大学でデザインを学んでいた90年代後半は、Windows 95 が発売されるなどパーソナルコンピュータの分野でMicrosoftが市場を席巻していました。それに伴ってMicrosoftのOffice系アプリケーションが瞬く間に普及し、そのUIが事実上のスタンダードになります。
大学では制作にAppleのMacintoshを使っていましたので、時折触れるWindowsのUIには大いに戸惑いました。
よく知られる例では、アプリケーションのダイアログ(画面に出てくる小さい窓)のボタン配置がMacとWindowsで大きく異なるというものですね。
下の図は、左側がMac、右側がWindowsのダイアログですが
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「保存」「保存しない」「キャンセル」の配置順が異なる
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青くハイライトされているデフォルトボタン(初期選択状態)の位置が左右逆
になっています。
些細な違いと思われるかもしれませんが、こうしたわずかな違い(とストレス)の積み重ねが、UIにおけるユーザビリティに大きく影響を与えます。
当時の授業で耳にした非常に印象的な言葉があります。「市場シェアが高いからと言って、必ずしも使いやすいユーザーインターフェースであるとは限らない。」
ここではどちらのUIが適切かを論じることはしませんが、あるものをただ受け入れるのではなく、常に批判的な視点をもって身の回りのモノを観察することの意義は大きいと思います。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました!デザインマガジン🎈Balloonは毎月2回配信予定です。本メールマガジンの感想や質問などをSNSに投稿していただけると嬉しいです。次回配信もお楽しみに!
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