デザインマガジン🎈Balloon vol.54 グラフィックデザインの発注パターン——ロゴから拡がるアイテム展開
ブランディング・UX・グラフィック・プロダクト・UI・Webサイトなどクリエイティブ全般をカバーするデザインコンサルティングスタジオ Balloon株式会社がお届けするデザインマガジンです。
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「デザインを依頼したいけれど、どのように指示を出せばいいのか分からない」「具体的なイメージが固まっていない」と悩む方に向けて、グラフィックデザイン依頼前に知ってほしいことをご紹介したこちらの記事に続き、
本記事では、これまでどんな発注パターンがあったかを具体事例を交えながら類型的にご紹介します。
ウェブサイトには本記事では紹介していない事例もありますのであわせてご覧ください。

百聞は一見にしかず、とりあえずデザイン事例を見てみよう
「デザインの依頼って、こんな方法もあるんだ!」と感じていただけるような、様々なデザイン事例をご紹介します。
各事例の詳細は、リンク先のコーポレートサイトで詳しく解説しています。まずは、スクロールしながら多様なデザインの雰囲気を感じ取ってみてください。
☕コーヒー豆の種類をパッケージで伝えるには?
コーヒー豆のパッケージデザイン
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コーヒー豆の生産地が一目で分かる方法の検討
コーヒー豆のパッケージデザインに加えて、コーヒー豆の産地が一目で分かる方法を検討した事例です。
地域に根ざした思いを反映させたシンボルマークを作成したのち、パッケージ検討に取り掛かりました。

ウェブサイトに大きい画像を掲載しています
パッケージに大きく国番号をレイアウトし、ナンバーによってコーヒーの種類を訴求します。豆の生産国ごとに番号を分けて記載し、かつ数字に応じて罫線のカラーにバリエーションを持たせ、百の桁の数字に応じてカラーを変えることで、数字に加えて色での判別ガイドとしても機能します。
🔵「共創」をテーマにしたビジネスプログラムのデザイン
シンボルマーク・ロゴタイプ
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イラスト
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ウェブサイトデザイン
ビジネスプログラムのシンボルマーク・ロゴタイプ、イラストレーション、ウェブサイトデザインを制作した事例です。
スタートアップ企業と事業会社とのマッチングと、その後の事業創出をサポートするプログラムである「NAGOYA Movement」。
シンボルマークはその事業創出と共創による新たな「Movement」を表現するため、動きを想起させるよう右上に向かって進むような造形にしています。また、グラデーションを用いることで、カラーによるブランド想起を狙っています。またオリジナルのロゴタイプデザインも、大文字や小文字を混合させる字形としながら可読性に配慮しつつ、多様な価値観を包括するような意図を込めています。

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あわせて、全体のテイストや方針をヒアリングし、シンボルマークとロゴタイプを使用したウェブサイトデザインに展開しました。「NAGOYA Movement」のテイストを反映したイラストレーションとウェブサイトデザインも行いました。
🦌論叢の表紙に「らしさ」を表現する
表紙デザイン
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章扉デザイン
論叢(論文集・論集)の表紙、章扉を制作した事例です。
奈文研論叢は奈良文化財研究所より毎年度発行される論叢です。その論叢の共通の表紙と章扉を検討しました。出土した唐草紋須恵器(すえき)の蓋の図面を元にトレースし、グラフィック要素として展開しています。 那須器の実物と合うように調色したグレーと白の箔押しで唐草紋を施しました。
タイトルの文字「奈文研論叢」は、奈良文化財研究所の 「木簡庫」というサービスを用いて調査し、木簡に記された文字をもとにデザインしています。文字を木簡から探しながら、全体のバランスをとっています。
⚡️関西電力株式会社が主体のアイデアコンテストのアートディレクション
アイデアコンテストのアートディレクション事例です。
アイデアコンテストのネーミング「DENTUNE」をもとにシンボルマーク・ロゴタイプを制作しました。ヒアリングを通じて、イメージカラーやキーワードを抽出し、造形を考案しました。最初のプレゼンテーションでは2つの案を提示し、フィードバックをいただきました。

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本件では2案それぞれの要素を融合させるという作業を経て、以下のシンボルマーク・ロゴタイプに決定しました。
対面イベントであるため、当日の会場で目にするデザインもディレクションしています。Tシャツ、スライド、オブジェなどをデザインし、SNS上でのインパクトやイベントシンボルのプレゼンスを向上させる効果をねらいます。
また、本デザインは国際コンペにて、以下2つの賞を受賞しています。
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国際的に権威あるドイツの「German Design Award 2020」の「Excellent Communications Design」部門で「Brand Identity」賞
🏭馴染みの薄い「工業炉」にデザインで親しみやすさをプラス
ロゴタイプ(文字そのものをデザイン要素として使用したロゴマーク)
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ピクトグラム
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ウェブサイトデザイン
新サービスのロゴタイプ(文字そのものをデザイン要素として使用したロゴマーク)、ピクトグラム、ウェブサイトデザインを制作した事例です。
「工業炉の見える化サービス」という、日常生活では頻繁には耳にすることのない言葉たち。シンボルマークの作成にあたっては、何かを具象化したシンボル(たとえば、お米の会社が稲穂をロゴマークに使うなど)ではなく、視認性の高いロゴタイプによってサービス名を訴求することを目的にしています。
全体のテイストや方針を伺い、このロゴタイプを使用したウェブサイトデザインに展開しました。あわせて、ロゴタイプとテイストをあわせたピクトグラムも制作しました。
⚒️工務店のリブランディングのデザインコンサルティング
コーポレートアイデンティティ(CI)開発
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ミッション・タグライン策定
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ロゴタイプ
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ウェブサイトデザイン
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グリーティングカードデザイン
次世代の「工務店」を表現する、ミッション・タグライン(施工にクリエイティブを。)策定とCI開発とそれに伴う広範なデザインを行なった事例です。
Balloon Inc. では、建築施工の現場における課題や目指すべき方向性などについてディスカッションを重ね、 株式会社コムウトのビジョンの言語化、「基本理念」の策定をサポートしました。また、この理念を軸とした統合的なデザインディレクションをおこない、 ロゴタイプ、Webサイトなど広範囲にわたるデザインを手がけています。
ロゴタイプの欧文表記「komt」は、代表取締役 舩橋耕太郎氏の自筆によるものです。 建築が人の手で作られるように、ロゴデザインにも手のあとを残しています。

ウェブサイトに大きい画像を掲載しています
ウェブサイトデザインにあたり、施工実績からコムウトの特長をうまく捉えたアングルの写真を選出して使用しています。
このほか、グリーティングカードなど多くの人の目に触れる部分でのデザインを制作しました。
また、本デザインは1944年から続く歴史を持つスイス発祥のデザイン誌(現在はNY, USA)、Graphisによるグラフィックデザインにおける国際コンペにて「Silver」を受賞しています。
🔥ビジネスカンファレンスのブランディングとアートディレクション
カンファレンスビジュアル
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シンボルマーク・ロゴタイプ
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サイネージデザイン
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カンファレンス関連アイテムデザイン
フィラメント創業10周年記念イベント『Filament X Frontier(フィラメント・クロス・フロンティア)』におけるブランディング、アートディレクションの事例です。
カンファレンス主催のフィラメントは「企業変革の伴走者」として、事業開発および組織開発の支援を提供しています。その事業や組織を支える中核的な価値を光と影による「X(クロス)」の表現を通じて視覚化。このデザインは、光によって際立つ「X」の文字とそれを支える基盤部分を統合したものです。

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フィラメントのコーポレートカラーである赤色を基調としながら、プログラムとイベント全体の演出のために、オレンジ、ピンクと鮮やかなカラーパレットを設定し、グラデーションをベースとしたビジュアルを展開しました。周年記念イベントとしての華やかさ、祝祭感のある雰囲気を醸成しています。
イベント会場のバナーデザイン・トロフィー・パネル・スライドなどのカンファレンス関連アイテムデザイン、ウェブサイトやSNS等で使用するセッション画像などにもデザインを展開しています。
🎨美術展のビジュアルディレクション
ポスター
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招待ハガキ
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チケット
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広告 etc.
美術展のビジュアルディレクション事例です。
「ポスターのデザインをしました」と書くほうが伝わりやすいかもしれないのですが、実は1つの美術展でデザインをする要素がたくさんあります。
たとえば、細長い美術展のチケット。チケットにも美術展の展示品などがプリントされていますよね。ポスターのデザインをそのまま使うとサイズが異なるので、必要な情報を改めてチケットサイズにデザインしています。

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ポスター、招待ハガキ、チケット、広告のほかにも、サイネージデザインなどさまざまな媒体にデザインを展開しています。
美術展のビジュアルディレクションについてはこちらの事例も合わせてご覧ください。
🟢大阪関西万博での「防災 BOSAI」周知を起点としたプロジェクトデザイン
プロジェクトビジョンとマイルストーンの策定
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アクションマップの制作
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SNSアカウントの開設と運用
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シンボルマーク・ロゴタイプ
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防災ハンドブックデザイン、ピクトグラムデザイン
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ウェブサイトデザイン
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名刺デザイン
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関連アイテム全般の制作
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イベント開催のマネジメント
EXPO2025 大阪・関西万博における多言語対応防災手帳の制作をきっかけに、「防災意識」の向上とするBUD (BOSAI Universal Design)という組織を設立しました。そのBUDのゴールとビジョンを設定し、マイルストーンおよびアクションマップを制作しました。

ウェブサイトに大きい画像を掲載しています
上記のゴールに近づけるべく、BUDプロジェクトの活動を対外的に発信するために、note、Facebook、X、Instagramなどの主要SNSアカウントを開設しました。投稿用の画像制作および投稿文の作成をおこない、SNSアカウントによる発信を通じて常に活動している様子を発信し続けました。
また、ウェブサイトデザインや活動に関連するアイテム、名刺などのデザインも行っています。
シンボルのモチーフは、「つぼみ」「星」「Bという文字」「円環」です。つぼみは、防災ユニバーサルデザインの略称である「BUD」からきています。Bは、BUDの「B」であると同時に、BOSAIの「B」でもあります。この2つの意味を持った「B」が視認できるデザインとし、円環によって統合することで、マークとしての使いやすさや視認性に配慮したデザインとしました。
EXPO2025 大阪・関西万博における多言語対応防災手帳の制作にあたっては、万博協会側との綿密な協議を重ねて制作しました。手帳内で使用するピクトグラムについても新たに制作しています。
私たちが目指すのは「最も美しいデザイン」
私たちBalloon Inc.が最も大切にしているのは、「最も美しいデザインにたどり着くにはどうすればいいのか?」という問いです。そのための努力は一切惜しみません。お客様の想いやビジョンを深く理解し、それを形にするために、私たちは常に最善を尽くします。
まずは、「こんなことをデザインしたいんだけど…」という漠然としたアイデアでも構いません。どうぞお気軽に私たちにご相談ください。お客様のビジネスに寄り添い、共に理想のデザインを追求できることを楽しみにしています。
以下ページより、お気軽にご相談ください。
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