デザインマガジン🎈Balloon vol.4
ブランディング・UX・グラフィック・プロダクト・UI・Webサイトなどクリエイティブ全般をカバーするデザインコンサルティングスタジオ Balloon株式会社がお届けするデザインマガジンです。
デザインマガジンでは、上の句として「デザイン“以外”の話」、下の句として「デザインの話」をお届けします。では早速、「デザイン“以外”の話」から。
上の句:プレイリストを作るときの話(デザイン“以外”の話)
前回のメルマガに続いて音楽の話をもう少し。プレイリストを作るのが好きです。大雑把な性格なのですが、「我ながらマメにプレイリストを作ってるよなあ」と思っています。この他に自分の生活で我ながらマメだと思うことは料理を作ることなのですが、この2つの共通点が何かを考えてみました。
思い至ったのは、ちょっと大げさかもしれませんが、「少し先(未来)のために準備をすること」。たとえば料理だと、まずスケジュール・天気・気温を確認してから「冷えるみたいだからお鍋」「忙しい日だからがっつりめのおかず」と献立を決めます。プレイリスト(基本的に作業用BGMを想定)であれば、「たまには洋楽も」「ボーカルの入っていない曲も入れておこう」「新しい曲もいいけど古い曲も」と聴いていて飽きないように曲を追加していきます。いま時点の自分よりも少し先の自分を思いやる方が得意なのかもしれません。……とここまで書いておいてなんですが、〆切には常に追われているので、腰が重いものは少し先の自分まかせのような気も。となると、「ただ単に性に合っているから」というのがファイナルアンサー?
下の句:デザイナーの(思考の)段取りの話(デザインの話)
僕が料理と言われて思い出すのは、世界的に著名なデザイナー田中一光です。著名な方だけに様々なエピソードを耳にする機会が多かったのですが、普段からご自身で料理をつくって来訪者をもてなしていたというエピソードはとても印象的です。
僕自身は料理が得意ではありませんが、デザインと料理に共通するものは何かと考えると、前もって段取りを付けて進めていくということでしょうか。自分のイメージを実在のモノに定着させていく作業は、想像するよりも結構大変です。
ステップを適切に積み上げていかないと高いクオリティに辿り着けませんし、順番を間違えると瞬く間に台無しになってしまいます。
田中一光のデザインのプロセスで、その段取りの一部が垣間見える本があります。アーティストの技法を本人が説明する 『アート・テクニック・ナウ』シリーズの19番目『田中一光の文字とデザイン』 。
和文、英文のレタリングやポスター、ロゴタイプの実践的な技法についてまとめられています。
最初に紹介されるポスターのタイポグラフィ「いけばな百傑展」の例では、具体的にどのようなステップを踏んでデザインを行っていったかが説明されます。
展覧会のコンセプトと内容からデザインを着想するところを出発点に、名前を組む列の数とバランス、使用する書体と選択意図、ポスターの判型、文字毎に異なる色の配色と、そのために考慮した印刷のメカニズムなど…
もちろん実際には複層的に同時進行するものでしょうが、大まかなステップとして示されているこれらのプロセスには、とても学ぶところが多いと思います。
このアート・テクニック・ナウシリーズには、この他にも『永井一正のポスター』『粟津潔のブック・デザイン』など興味深いテーマが多く、とても魅力的な内容です。
今や入手も困難ではありますが、古本屋で見かけたら一度中身を開いてみることをお薦めします。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました!デザインマガジン🎈Balloonは毎月2回配信予定です。本メールマガジンの感想や質問などをSNSに投稿していただけると嬉しいです。次回配信もお楽しみに!
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